「夜空高校の2年だろ?名前は知らないけど」
夜空高校、とはわたしが通う高校名。
ちなみに星のよく見える場所に建てられた高校だからそういうらしい。
……って、そうじゃなくて。
「……そうです。…三浦、咲和です」
「へえー。敬語なくていいよ」
その言葉に頷いて、まだ聞いていない彼の名前を聞く。
「由利光雅(ゆりこうが)。7組だよー」
「あ、えっと。3組です」
何でこんなにわたしは同じ学校の人も同学年の人も覚えられてないんだ。
わたしだけぎこちない自己紹介になってしまうし、恥ずかしい。
「3組と7組か。遠いね」
「ほんと。だから初めましてなのかな」
「ねー。……あれ?ケータイ鳴ってない?」
由利くんに言われてケータイのバイブ音が鳴っていることに初めて気づいた。
慌ててバッグからスマホを取り出し、画面を見ると、
『桜井望』