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「ここ、座れる?」
「はい!すみません、ご迷惑おかけし、…て!?」
「ちょっ…」
おぶられていた背中から降りて、階段に腰掛けようとした際、うっかり体重をかけてしまった挫いた方の足。
当然そんな足で支えられるわけもなく、激痛と共に傾いた視界。
咄嗟に彼が腕をまわして抱きとめてくれたから助かったものの。
「……あぶねー」
「すみません……」
「ほんとにね。危なっかしすぎるでしょ」
彼は笑って、そのままわたしが座るのまで手伝ってくれた。
なにからなにまでお世話になりっぱなしだ。
「いつもはここまでじゃないはずなんですけど…。鈍臭いところがあって」
「別にいいよ、全然。てゆうか足見せて」
彼の手が足に触れて、驚きのせいで小さく震えてしまう。
目を丸くした彼がわたしを見上げて、またまた小さく吹き出す。
自分の顔が格好悪く染まったのが分かった。
さっきからわたし、めちゃくちゃまぬけだ…。