その言葉に心底ほっとして、小さく息を吐いた。




「とりあえず、腰掛けられるとこまで歩くから」


「はい…!ありがとうございます」




会話はそこで途切れてしまって、足の痛みがヒリヒリと心を侵食してくる。


挫いた足は、今までにしたことのない挫きっぷりだったから、もう痛くて痛くて。

そっちの痛みが響いてくれば、当たり前のように膝のかすり傷も痛い。




「……ほんとすみません…」




いたたまれなくて、消え入るような声で呟いた。




「大丈夫だよー。きみ軽いから」




小さく笑ったのがわかった。





180センチ近くありそうな高身長で、

とても整った顔立ち。

足に回る手は触れ方さえ優しくて、

きっと性格のいい人なんだろうなって。



この見ず知らずのわたしをおぶってくれるような優しい人の背中で、わたしはただただ痛みに耐えていたのだった。