わたしがぶつかってしまった女の人が駆け寄ってきてくれるけれど、その後ろに連れの人たちが見えて。




「全然大丈夫です!お気になさらず!」


「そう?ほんとごめんね」




精一杯の笑みを浮かべて、なるべく罪悪感なんて生み出してしまわないように。





……っと、


どうするかな、この足。



完璧に挫いてしまったであろう足に手を添えた。

赤くなっていて、力が入らない。

重ねて膝も擦りむいてしまったようで、血が両足を伝っていた。



試しに立ちあがろうとしてみれば、挫いた右足に激痛が走り、もう一度座り込む。




「どうしよう…」




痛いのだってもちろん。

でもそれ以上に、立ち上がれないことと視界の端をどんどん進んでいく無数の足音に不安で声が震えた。