「『ユーキカフェ』だよな!ここから10分……募集してんじゃん!」

「はあ……」

この瞬間だけ、スマホという概念を呪う。
誰だよ、こんなバカ便利なもの作ったやつ。

「なーに、俺に来られたら困ることでもあんの?」

「……っ、」

珠貴のそのセリフにドキッと冷や汗をかく。

「別に。お前絶対イジってくんじゃん」

「え〜若葉くん俺のことなんだと思ってんの〜?友達が頑張って働く姿をイジるなんて、そんなこと、しないよー」

「……」

クッソ棒読みじゃねーか。
するやつの言い方だわそれ。

ていうか。
珠貴に仕事してる姿をいじられようが、正直そんなことどうでもいいんだ。

そんなことよりも……もっと……。

「てかいつまでついてくんだよ」

「いや、そのまんまバイト面接したいって言いに。若葉が押してくれたらすぐじゃん」

「お前なぁ……」

なんだよそのいらない行動力。