いい感じだなあとは勝手に思っていたけれど、そうだったのか……両片想い状態だったんだね。


わたしが橘に対して素直になれるまで、わたしがてんやわんやになってしまうことを想像して、言わないでいてくれたのかな──なんて、うぬぼれに近いことを考えて。


隠しごとをされていた、とか、そういう気分ではない。


しあわせ、よかった、うれしい。


プラス感情だけだよ。


「文化祭、まちきれないね」


まわりのひとたちから、たくさん質問をされているふたりを見ながら。橘がわらって。


静かに頭を撫でてくれた。