「……ほんと?」

「ほんとだよ」

「やっぱなしとか、無理だよ」

「わたしのほうも、思ってるよ」

「ほんとにほんと?」

「ほんと!」


ぱあっと笑顔になった篠山くんが、さりげなーく花乃の手を取って、こちらを向いた。えっ……まぶしい、いまのインパクトのでかさで忘れかけてたけど、篠山くんってスポットライトをぜんぶ向けさせる体質なんだった。


てかもう、スポットライトそのもの? いやそれはないな、うわ、脳内のわたしがすべてを台無しにしている気がする。黙ろ。口をつぐめ、脳内のわたし!