「すっ、……す、──ちょっとまって!」
大声をあげて、てのひらをこちらに向けた彼は、反対側の手で顔を覆ってしまった。
背けられた顔、ちらりと見える耳。……真っ赤だ。
何?
どした?
大声だったから、仕方ないといえば仕方がないけれど……。たくさんのひとが集まってきた。わ、公開告白だ! んええ、ふたりとも、よかったのかな。
「……っ、ごめんね。焦りすぎちゃったね」
申し訳なさそうに、眉と頭を下げた花乃に──思わず駆け寄りそうになってしまって、ぐっと、こらえて。
ダメだ。いまわたしが出ていくのは、120パーセントちがう。