「え、す、……すっ!?」
篠山くんが、すっごく動揺してる! わかる! わかるよ!!
わたしも大変だ、脳内法廷を閉鎖した意味がまるでない、むしろ開きたい、大パニックだ。
いま!? いまなの、花乃! 心の準備がまったくなっていなかった、ちょっとまって、無理、わたしまでドキドキするし、心臓が破裂しそうだ。
とん、と1歩踏み出した花乃。小さく2歩、下がった篠山くん。
「逃げないで」
「っは、……い」
顔を彼へと近づけた花乃が、しっかりと言った。凛としている。
怖いとか、低い声とか、そういうわけではないけど。
かっこいいし、かっこいいし、かっこよすぎないか?
表情がまずかっこいい。次に動作がかっこいい。最後に言葉がかっこいい。最強じゃん……。