橘の『なるほど』発言は、きっと、付き合っていないからこそのお誘い、と察したってことだろうな。 わたしもそう思う。 花乃の気持ちは、どうなんだろう。 あんまり探ったりするのもどうなの、とは考えるけれど、ここまでわかりやすいひととだと、もう、花乃の気持ちもすぐにわかりそうな気がする。 しばらくのあいだ、考えるように口元に手をやっていた花乃が、不意に、おろして。 「すきです」 ──……言った。