篠山くんが人差し指と親指をたてた右手を宙に掲げて、
「おれたち、いっしょにまわろうよ」
わらった。
その手はてのひら側が彼のほうを向いていて、チェックマークみたいだ。
うっ、笑顔、まぶしい。
証明威力間違えた? ってくらい、篠山くんのまわりだけ異常にまぶしいよ、ぜんぶのスポットライトの光をかっさらっていったみたいだ。
「なるほど……?」
意味深にひとりごちた橘が、指パッチン──の動きをした。
かす、っていう皮膚のこすれる音がしただけ、パッチンならなかった……。あああっ! 落ち込んでる、落ち込まないで、橘!