小声のやりとりから、急に大声。橘と篠山くんには、話の詳細まではわからないはず。


それなのに、聞き出したりしない。


ふたりとも、かっこよすぎないか。かっこいい。すごい。わたしもそうなりたいな。


「佐久間さんも、いっしょにいく?」

「うん……!」

「よかった。じゃあ、おれもいく」


花乃と篠山くんのやりとりを聞いて、聞き終えて、


「ほんと……!?」


橘にふり返ってしまった。