恭平がきょうくんなんて…気付きもしなかった。きょうくんは、今幸せに暮らしてるとばかり祈っていたから、彼女もいると思った。
「ごめん、昔の親友でさぁ〜…」
「親友って、男の子?女の子?」
「男だよ…女もいた。女の子は、奈緒って言うんだけど…どこにいるかわかんねぇんだよな〜」
「…その子のこと…好きだった?」
「…まあ、好きだったかな…」
…過去形。あたしは…今も恭平の事が好きなのに…―
「美央、いい仕事見つかった。直人…俺の親友が教えてくれたんだけど、直人のバイト先のレストランは、中退でもいいんだってよ」
「…ほんと?」