「…俺は恭平に奈緒を任せられないかもな。恭平、お前…俺に約束しただろ…」


直人の長い前髪が、風でなびいた。



「…まもる気なんか…ねーよ」


「…は?」





「お前は昔っからそう!!俺の居場所をとって!!勉強まで抜かされて!!その上人気まで!俺の居場所を何もかもなくして…!!今だって…奈緒を取ろうとして!!いい加減にしろよ!俺はお前が大嫌いだ!!」




言った後…後悔した…―


直人の表情が 


みるみる暗くなった 



俺の腕をつかんでた手を 
離した 





「…直人…」


「………ごめん…恭平…」




直人は昔から、こうゆうのに慣れてない人間だから。
俺は、直人に悪い事を言った。けど事実だった。




謝る気なんてない。



大嫌いだから。






俺が愛してるのは 

俺に残ってるのは 





奈緒だけだから