あたしは…家に帰るまでの道がわからなかったけど…直人がいつも教えてくれた道で帰ってた…

直人が隣にいないと…直人の影がないと…あたしは…一人…影が一つしかない…



「…ただい――」



家に帰って目に入った、無惨な姿。

飛び散る破片に

流れる赤い血…


お父さんの…体…






「…なんで…ッ…まだ…生きてる…?救急車……何番…だっけ………――」



昔も…直人が教えてくれた



「…110…」


あたしは警察と救急車を呼んだ。