ん?
もしもの話?

「うん?」









私の頭のはてなマークなんて気にせず話始める















「もしも、ある男Aにずっと昔から好きだった奴がいて


でもそいつはAに全然気がなくて
多分ただの幼なじみだと思ってて





だから男として意識させてやろうと思って、無駄に近付いて話しかけたり

本当はすっげぇ緊張したけど、そいつの肩抱きしめてみたり


他の奴から告白されたってわざと報告してそいつの反応確かめるとかダサい事したり







でもそいつ照れるでも何か反応するでもなくいっつも素っ気ないし

そんなのしても結局なんも効果なくて」














なにそれ

なにそれなにそれ







例え話って言ってるのに私には思い当たる節しかない






心臓が震える

ねぇ、廉









「なのに
付き合うって噂流れた途端に
辛い顔して泣くそいつの事





俺マジで理解不能だし



ぜんっぜん気持ちわかんねぇんだけど



















でも




















どうしようもなく好きなんだよね」




















もしもの話だっていうのに
俺とか言っちゃダメじゃん





だってそんな事したら

















「俺は美咲ちゃんに告白されたけど
ちゃんと断った。







で、なんなの?お前は」





もう怒ってるんだか悩んでるんだか訳わからない顔をしてる目の前の幼なじみが






耳まで真っ赤にしてこっちを見てて










私はその信じられない状況に息をするのを忘れそうになった







「なんなのって、そんなの…」