第四章 醤油のスイーツ

他の生徒達のスイーツを食べて思ったのは
バターが多いのからチョコをふんだんに使いすぎているのやら何かどっかミスがある
俺は溜息を吐きながらボールをちらりと見た
唖然とした
「テメェら,水で濡れた物で使ってんのか!?」
俺の怒鳴り声にびっくりとしている
「菓子を舐めてんじゃねぇよ!やる気あんのか!」
ギロリと睨む
「良いか!スイーツ要は菓子は水で濡れたのだと不味くなる上分離する!」
俺の説明に奴らはニコニコしている
舐めてんのか………!!!!
「流石だね,合格」
校長がニコニコして俺を抱きしめた
俺はイラついていて睨む
「何が合格だぁ?」
「この子達わざとなんだよ」
わざと?
つまりは
嵌められたと?
「君が私達に勝ったと言うことさ」
生徒達が俺を見つめる
だがな
「ほぉ?だから?」
俺はそうは思わない
「え?嬉しくないのかい?」
校長はキョトンとしてるし生徒達もだ
「俺はここに菓子を作るために来た,それだけだ」
どんと醤油瓶を出す
「黙って見てろや」
器具を乾かし拭いたものにバターを入れる
ふわりと香るものからいいものを仕入れているのだろう
俺は常温に戻している間に薄力粉とアーモンドパウダーを合わせ振るう
バターを溶かし型に少し塗る
大きいボールに卵白を入れ泡立てない様に混ぜた
それに黒糖,蜂蜜を加え混ぜる
工程をきれいに終えていくのを生徒達はうっとりとしていた
「醤油のフィナンシェ,焼き上がるまで待て」
次いでに残ったものは
バターと黒糖,蜂蜜,薄力粉か………
「クッキーだな」
バターは室温だし………
よし
バターに黒糖を加え泡立て器でふんわりとさせるまで混ぜる
蜂蜜,醤油を入れてさらに混ぜあとはクッキーを作る感じにするがさっくりと混ぜる様にしろ
「オーブンの邪魔だ退け」
「はい」
オーブンに生地を入れて温度調節をし焼こうとすると止められる
「凄い」
「あ?」
凄いだ?
「このオーブンの使い方知ってるんですか?」
敬語ウゼェな
「お前,敬語やめろ」
指を指して睨む
ついでにオーブンを動かす
「え?あーよく分かったな」
男はニヤリと笑い頷く
「慣れてる方が分かりやすい」
俺は鼻で笑いオーブンを見つめる
「で?なんで凄いんだ?」
俺の言葉にそいつは困った様にしながら
「これ誰も使おうとしねぇし,使い方分かんねぇから」
と言った
使い方を知らない
つまり
知ろうとしない
じゃねぇの?
と思っていたが
「使い方知らないなら知ろうとしろよ」

ズバッと言うとそいつは苛立ったのか
「へーへー」
と言いつつメモをしているあたりこいつは面白い奴
「フィナンシェは焼けたな」
竹串を指して確認する
カタンと出すとふわりといい香りがした
お腹の音が聞こえる
そいつからだった
「悪いかよ………」
「いや,嬉しいな」
ゆっくり微笑みそいつの頭を撫でる
「食べたきゃ食べな」
俺はこっちに集中したいから
じっと見つめていると音がした
クッキーの割れる音
「出来た」
クッキーを取り出すと案の定割れ目の入った美味しそうな感じに出来た
「クッキーは冷ましてから食べてもいいが熱いのもまた美味しい」
ラッピングして校長とグレイスさんに渡す
「先ほどはすまないね」
「いんや,気にしてねぇし何より楽しい生活になりそうだな」
ニヤッと笑い生徒達を見る
俺は
ここで
強くなって
有名になって
婆ちゃん爺ちゃん兄さん達に会いに行く!