家に帰ると、

いつも遅くまで帰ってこない

ママが

スーツケースに荷物を詰めていた。



マ 有咲。遅かったのね

あ 塾だったから


マ ママ、また出張で海外に行かなと
行けないの

お金は多めに置いてあるから、

2週間、せめて危ないことはしないでね


そう言うとママは


スーツケースを持って

カウンターにある

私と有里とママとパパの


家族写真を下に向けてから、


出て行った。


ゆ お姉ちゃん、、、



ソファに座っていた有里が

私の腰に抱きついた。


ゆ お姉ちゃん、、、


ママ、またあのお兄ちゃんのところに

行くのかな、、、

お姉ちゃん、三者面談、どうしよう、、



あ 大丈夫、私が行くから


私は有里を抱き寄せて、


痛む左手を無視した。