ぎゅうぎゅうの満員電車

俺は春陽が潰れないようにドアに手をつけ背中の圧迫を支えていた

俺と頭一個分違う春陽は横向きでうつむいたまま

俺が少し目線を下に移すだけで春陽の髪に軽く触れる

─ふわっ


春陽の髪からは甘い香りがした
その時
春陽との距離の近さを感じて胸が高鳴る

早くなる鼓動を押さえることも出来ずに春陽の香りをただ感じていた…