ステージの端にきれいに並んで座っている人たちの中から1人の女の先生が立ち上がった

ゆっくりと壇上に近づいていく
緊張しているのか動きがぎこちない

あ!こけた

体育館に小さな笑い声が漏れる

先生は顔を真っ赤にして急いで立ち上がった そしてうつむいたままマイクの前に立つ

「あの先生可愛くね?しかも若い」
彰が小声で話し掛ける

俺は少し目が悪いからうつむいたままの先生の顔がはっきりと見えない

『加藤先生??お願いします』
『は…はい!!!』

マイク越しに言われ少しビクッとしながら先生は真っすぐ前を向いた