そんな楽しい夏休みももう7月が終わろうとしていた

春陽もやっと夏休みが取れ俺たちは旅行に出かける

行き先はもちろんおじいちゃんの田舎だ…


車だと5時間だが俺たちは車の免許を持っていない
電車やバスを乗り換えながらおじいちゃんの田舎に着いたのはもう夕方だった


バス停からおじいちゃんの家までの一本道
俺たちは並んで歩いた
「理人くん、私今日本当にお邪魔しちゃっていいの?」
春陽が俺の服の裾をひっぱりながら尋ねる

「あぁ、おじいちゃんも喜んでたよ 明日春陽は春陽のおじいさんの所に行くんだろ?」
「うん、一年ぶりだしね
理人くんも来たらいいのに」
「いや…家族水入らずで楽しんでよ 俺も花心と久しぶりの散歩でもするしさ」

俺たちは話をしながら歩き続けた
懐かしい景色が少しずつオレンジ色に染まっていく



「わぁ……キレイ…何度見ても感動するね」