病室の前では春陽が待っていた


俺に気付くと静かに駆け寄ってくる


「理人くん……おかえり」
ニコッと春陽が笑う
俺は春陽の頭を自分の胸に引き寄せた

そして小さく囁く


「春陽………愛してる…」


春陽の耳が真っ赤になる

うつむいたまま春陽は答える


「…………私も……」



俺は春陽をぎゅっと抱き締める


二人だけの空間
俺は幸せを噛み締める





「…こんな所でいちゃついてんなよ……」