ゆっくりと顔を上げる有恵
目にはうっすらと涙を浮かべて……


「有恵、心配かけてごめん」

有恵はニコッと笑って無事で良かったよと言った

その顔には少し悲しみが交じっていた


「有恵…中庭で話しよう」
俺は歩きだす
有恵も少し離れて俺の後を無言でついてくる

中庭に着いてベンチに座ると少し間を空けて有恵も座る



二人の間に沈黙が流れる……





沈黙に耐えきれずに俺は口を開く