「理人……」
紫が俺の肩に手を置く


「紫……ごめん」

「なんだよ!!謝んなよ…」
紫は俺と春陽を見て笑顔で言う


遠くに一人離れている有恵を見つける


「みんなに話したいことがあるんだ…でも、先に病室に戻っててくれる?」

「何?理人…」
母さんは不安そうな顔をする
父さんとおじいちゃんは分かったと言って母さんを連れて病院の中へと戻っていく

春陽と紫は俺の視線を察して
「ゆっくり話しろよ」
「病室で待ってるね…」
とだけ言って中へと入っていった


有恵と俺の二人だけになる
ゆっくりと有恵に近づいて行き声をかける


「有恵……」

有恵の肩がびくっと動く