「俺は一人で生きていかなきゃいけない…
たった一人で闘わないといけないんだ…
苦しみも辛さも悲しさも全部一人で抱え込んで……」



─パシンッ!


春陽が俺の手を払い除けた
そして靴を脱ぎ捨て、勢い良く立ち上がった

「一人で立てるわ!」

そう言うと海に向かって歩きだすと、そのまま海の中に入っていく


「春陽!!?」


春陽の後を追おうとした俺の声を聞いて春陽が立ち止まり振り返る


「私一人で歩けるわ!だって足があるもの!
手があるから触れることだって出来る!!
口があるから言葉で伝えることも出来る!」



春陽……?