帰りの電車の中ではしゃぎ疲れたのかすやすやと寝息を立てる有恵と春陽


隣を見ると紫と目が合った
紫は春陽に寄り掛かられてすごく嬉しそう


「春ちゃん家に送り届けてそれから…告白する」
紫が小声で俺に話す

そっか……
「…頑張れよ」
俺にはこれが精一杯だった

応援することも出来ない
忘れることも出来ない
前にも後ろへも行けない
俺の気持ちは
止まったまま────


こうして
初めてのWデートが終わった