─加藤 春陽
17才 高校2年生

春陽も夏休みで故郷に遊びにきていた


胸まである長い黒髪が柔らかく揺れる
彼女の微笑みは太陽のように眩しく、春の陽射しのように優しかった

─春陽─
彼女にぴったりの名前だと思った



「ところで……さっきのは一体……」

僕の質問に春陽は思い出したように言った

「あ─…えへへっ
見慣れない男の子がいるなーって見てたら道から外れて土手から落ちちゃった」

本当にごめんね
って苦笑する春陽


その手やひざには擦り傷があった
後ろを見ると木の側に倒れている自転車
少しカゴが歪んでいる

僕が春陽のひざの傷を痛そうに見つめていると笑いながら春陽が言う

「こんなのツバつけとけば治るよ!大人だもん!」

パンッとひざをたたいた後、痛がっている…

おもしろい……