ふわっ


海の香りを乗せた風が吹く駅に着いた時と同じ不思議な感覚が俺を包み込む


「海だ─!!」
紫が走りだす

それに続いて有恵と春陽が手を取り合って走りだす

俺は後ろからその姿を見つめながらゆっくりと後を追う


靴を脱ぎ波打ち際ではしゃぐ3人


「理人─!お前も来いよ!!」
「…いや、いい!!」

紫の誘いを断り、俺は笑顔で3人を見つめる