その紙に書いてある文字は、魔女が使う文字なのか、見たことがなくて、僕には読めなかった。
彼女は面倒そうにため息をこぼすと、なにか呪文のようなものを唱えた。
すると、読めなかったはずの文字が、読めるようになった。
「え、なんで……」
「ロー、あなたは私が誰か忘れてるでしょ」
彼女は呆れた目をしている。
どうやら、魔法を使ったらしい。
「すごい……」
たしかにこの力があれば、ヒトも亜人も変わらない存在になる。
「はいはい、感心してないでさっさと行く。間違えてきたら、その尻尾触らせてね」
耳以上に触られたくない場所を言ってきて、僕は逃げ出すように森の中に飛び込んだ。
紙に書かれているものはそれほど難しいものではなかったけど、来たことない場所で探すのは思った以上に大変だった。
そのせいで、かなり時間がかかってしまった。
戻ったときには、彼女は腕を組んで笑っていた。
目の奥が笑っていないように見えて仕方ない。
「……ごめんなさい」
採ってきたものを差し出しながら謝る。
「指示されたものを採ってきたのに、どうして謝るのかしら?」
彼女は受け取りながら聞いてくる。
「それは……僕がノロマで、遅くなったから……」
怒られると思って、声が小さくなる。
彼女は面倒そうにため息をこぼすと、なにか呪文のようなものを唱えた。
すると、読めなかったはずの文字が、読めるようになった。
「え、なんで……」
「ロー、あなたは私が誰か忘れてるでしょ」
彼女は呆れた目をしている。
どうやら、魔法を使ったらしい。
「すごい……」
たしかにこの力があれば、ヒトも亜人も変わらない存在になる。
「はいはい、感心してないでさっさと行く。間違えてきたら、その尻尾触らせてね」
耳以上に触られたくない場所を言ってきて、僕は逃げ出すように森の中に飛び込んだ。
紙に書かれているものはそれほど難しいものではなかったけど、来たことない場所で探すのは思った以上に大変だった。
そのせいで、かなり時間がかかってしまった。
戻ったときには、彼女は腕を組んで笑っていた。
目の奥が笑っていないように見えて仕方ない。
「……ごめんなさい」
採ってきたものを差し出しながら謝る。
「指示されたものを採ってきたのに、どうして謝るのかしら?」
彼女は受け取りながら聞いてくる。
「それは……僕がノロマで、遅くなったから……」
怒られると思って、声が小さくなる。