分かってる。知ってる。
認めたくないから。言わない。
「お前は誰だ」当たり前の質問。
ソイツは、鼻で笑いこう言った。
「悪魔です」
非現実的で非科学的な存在。俺が黙っていると、悪魔は淡々と続ける。
「お前はもうすぐ死ぬの。それを伝えに来ただけ。」
「俺は、死にたくない!」
「お前、馬鹿なの?」呆れたような表情で見てくる。
「運命に従わないとダメだろ。お前達の結末はずっと昔から決まってんの」コイツは、悪魔だ。心なんてない。
口がカラカラに乾く。
悪魔は、くるりと踵を返して
「伝えたから、帰るわ。最期の1週間を楽しんでね」と言い残し消えてった。