お若い二人でって何！？
　それに、大前提として付き合ってない！
　そう大声でお母さんに向かって叫びたい。
　・・・答えだってもらってないし。
　先に答えを返さなかったのは私だし、だから嫌われていてもしょうがないんだけど・・・。
　そこまで考えて自分の頬に雫が伝っているのに気付いた。
　あれ、おかしいな・・・。
　涙は止まらない。
　止まってほしいのに・・・。
　「真紘？」
　「・・・・・・」
　悠理の声を聞いていると胸が締め付けられるようで苦しくなってくる。
　そんな私に悠理は全く予想もしてなかったことを言ってきた。
　「勘違いじゃないじゃん」
　「・・・は？」
　「え？」
　悠理はさも当然みたいな顔で私を見る。
　私の涙は訳が分からなくて引っ込んだ。
　「私の告白に対してだって付き合うって言ってないじゃん・・・！！」
　「え？真紘のって返事じゃなかったの？」
　「・・・え？」
　返事？
　え？
　「俺の『付き合お』って答えが好きなんじゃないの？だから、もう付き合ってるんじゃないの？」
　「え・・・だって私、悠理にあんなに酷いことを言ったんだよ？出ていってって。もう、私悠理に嫌われているんじゃないの？」
　「馬鹿？」
　「痛っ」
　心底あきれたような顔でデコピンをされた。
　「そんなんで嫌いになるわけないじゃん。真紘って、俺をなんだと思ってるの」
　「・・・・・・」
　珍しく、悠理が怒っている・・・？
　「ホントに、付き合ってくれるの・・・？」
　「うん」
　「何処へも行かない？」
　「うん」
　「・・・付き合ってから、思ってたのと違ったなんて言わない？」
　私の声は震えていた。
　日葵にも言ってもらったじゃん、悠理は私の中身を見てくれてるって。
　信じてるけど、私の声は情けなく震える。
　「・・・真紘。この前から思ってたけど、真紘ってなんで付き合うことに怯えてるの」
　悠理が私の目を真っすぐ見る。
　「・・・これは、私の昔話なんだけど」
　私は悠理の視線を受けてゆっくり口を開いた。