「綺麗です。ご主人様。誰よりも」
そう囁いて肩を抱けば、振り払われて部屋から逃げられた。
メイドたちがクスクスと笑う。
「ジャン、それじゃ、うちのお嬢様は無理よ」
「なんでそんなに頑なんだよ、あの人」
「いろいろあるのよ、色々ね」
古参のメイドたちは困ったように笑った。
「なにそれ」
「自分で聞きなさいな」
「オレになんか話してくれないよ。交合うためにオレを買ったくせに受け入れる気なんか全然ない」
「ジャンはお嬢様に受け入れて欲しいの?」
そう問われて、ビックリした。
「……いや、そう言うわけじゃないけど。無理やりはシンドイし」
モゴモゴと答えれば、メイドたちが優しい顔で笑った。
「ドンマイ!」
って、え、オレなんか可愛そうな子認定されてる? 嘘だろ? この町で一番の性奴隷なんだぜ?
「買われてきたのがジャンでよかったわ」
メイドがそう俺の肩を叩いた。