葉月と一緒に 食事をしている時

暫くぶりに カンナから 電話が入った。


少しだけ 話して 電話を切った俺。

「高校の同級生なんだ。」

何も聞かれないのに 言った 俺の言葉を

葉月は 言い訳のように 感じたかもしれない。


その時 カンナのことを 全部 話せばよかった。

まだ 葉月と付き合ったばかりで。

俺は 本当のことが 言えなかった。


カンナの電話は いつも気まぐれで。

また 当分 掛かってこないかもしれないし。


葉月に 余計な心配を させることはない…


いや… 本当は カンナに 振り回される俺を

葉月には 見せたくなかった。


カンナの 骸骨のような姿は

俺の心から ずっと消えなくて。


俺は カンナが 怖かった。


俺のせいで カンナが あんな風になったのなら。

そのことを 葉月に 知られたくなかった。


でも カンナの電話は そのあとも 続いて。


違う心配をする 葉月を 傷付けていた…