「聞いてないぞ…?」

「あぁ。俺には氷能力の方が合ってるからな、学校では一度も使ったことはない」

 一度も…。

「さぁ、ここからが本番だ」

 レオンは体勢を低くし、ぐっと踏み込んだ。



 そこからの力の差は、明確だった。

 氷能力だけで戦っていたレオンとは、格が違う。

 そう言い切れる程だ。

「そろそろ諦めたらどうだ?」

「…ふっ、さっきまで押されてたヤツが…よくもこんなことを言えたなぁ?」

「今は形勢逆転している。それも事実だろ?」

 レオンは皮肉な笑みを浮かべると、センリと鍔迫り合いを始めた。

 ジュワジュワと、水の剣が炎の剣を消していく。