困り果てた私をかばうように、目の前に手のひらが伸ばされる。レオが、私をかばうようにクロードとの間に入ったのだ。

「あまりリンネを追い詰めるな、クロード」

「レオ」

 さっきまでは、自分も詰問していたくせに、なぜだか急にかばってくれたようだ。

「心配しなくても、リンネにそう難しい策略が練れるわけないだろ? 大方、誰かが言っているのをうのみにしているんだよ」

 かばってもらえたのかと思いきゃ、さらっとけなされている。どうにも解せない。
 むうと頬を膨らませた私の頭頂に、レオのため息が落ちた。

「俺はおまえを疑ったりはしていない。だから、ゆっくり話してみろ」

 そう言われて、私はレオを見上げた。どうやら私がテンパっているのを察知してくれたようだ。
 彼に背中を撫でられて、その温かさにほっとする。
 そうだ。落ち着かないと。
 言っても信じてもらえないけれど、信じてもらわなければレオを助け出す手段も考えられない。だから信じてもらえるような作り話を考えるのよ、リンネ!

 私は人生で一番じゃないかと思うほど、頭をフル回転させた。