「律くんに聞いてみる」
「あー無理無理。律くん独占欲の塊だし」
「でも、約束してたから、」
「いいのいいの、俺はいいから、むしろ2人で行ってきなよ。うん、そのほうがいーよ!」
逃げるようにレジへ立ち去った杉内くんが、お金を払ってレシートをもらって、その頃にはもう何事もなかったように戻ってきた。
花火は、杉内くんと行くって、ずっと前から約束してたのに。
「じゃあ……みんなで行こう!」
「え?」
残された手段はこれしかない。
というか、他のアイディアが浮かばない。
「帰ったら律くんに聞いてみる。みんなで花火大会行こうって」
「いいの?律くんと2人じゃなくて」
「うん、だって約束してたから!」
私が言うと、杉内くんは嬉しそうに笑った。