「ここだったら、見られる心配もないよ。」 ネクタイの色を見るにその人は先輩だった。 「ありがとっ、ございますっ。」 私は先輩の胸で思いっきり泣いた。その間先輩は、ただ私の背中をさすってくれた。 「落ちついた?」 「はい、ありがとうございました。」 「いいよ、そんなの。 あ、挨拶がまだだったね、僕は、2年の速水奏(はやみずかなで)だよ。」 「私は、1年の桜城奈瑠です。」