だってそこに居たのは、私が一番逢いたかった人。


「怜くん…。」


そう、この人は正真正銘私の大好きな人沢木怜(さわぎれん)くんだ。


でもその姿はまるで違う。黒髪だった髪も派手な茶色になり、きっちり第1ボタンまで閉めていた制服もだらしなく着崩されていた。


「奈瑠ちゃんっ、怜くんが同じクラスで驚いたね。しかも後ろの席!」


「そうだね。でも、私忘れられてるかもしれないし。」


「そんなことない!自信もって?奈瑠ちゃんは、怜くんの幼なじみなんだから!」