── 私の好きな人には、好きな人がいる。
「ねぇ伊吹〜伊吹さ〜ん!イブく〜ん!!」
「なんだよ瑛茉、うるさいな。つーかイブって呼ぶな、なんかキモい」
「酷い!いつも女の子達にイブく〜ん♡とか呼ばれていい気になってるくせに」
「何?モテちゃう俺に嫉妬?」
「違うわハゲ!」
私はベッドの下に座る男の肩をグーで殴った。
こいつはなんで私にだけ辛辣なんだか。
(可愛くない男…!)
「むぅ」
「その顔やめろ。まだあざといって言われるぞ? “ 悪役ボブ ” さーん?」
伊吹はニヤッと笑って私のおでこにデコピンしてきた。
「いたっ!!伊吹のバカ!ハゲろ!」