日向さんって飄々としてて明るい印象だけど、やっぱり優しい人。



困っていたら誰であっても助けてくれる。



しかも言葉に出さなくても困っていることに気づいて手を差し伸べてくれる。



今回のことだって、忙しいのを察知してわざわざ来てくれた。



日向さんの方が何倍も忙しいはずなのに。



「今日は特別に忙しかったね。お疲れ様」



「日向さんこそわざわざ、ありがとうございました」



ちゃんとお礼を言って、頭を下げる。



「どういたしまして。落ち着いたし、俺は戻るからまたね」



手をふって日向さんは図書室から出ていった。



さっきもずっと電話していたし、他にお仕事があったんだろうな。