太陽くんもゆりたちも目を丸くして口を開けたまま立ち尽くしている。





うう、どうしよう私わたし、やってしまった…





「今日、鈴村は委員会だから」





ほんのりとあの柔軟剤の匂い。





目を開けると広い広い柳瀬くんの背中があった。





バッ





私は柳瀬くんに引っ張られて教室を出る。




その反動で太陽くんの手が離れる。





【ガラガラガラガラ】





図書室に着くと私はすぐに崩れ落ちた。





「とりあえず、パイプ椅子まで歩けよ」





パイプ椅子に座ると、柳瀬くんは図書室にいなかった。






そして数分後、「はい」





いちご、オレ





「"うぅー」





「は?なんでまた泣くんだよ」





眉毛を寄せる柳瀬くん。





「うぅ、ありがとう」




「おう」





ずっと……3年前からありがとう。





柳瀬くんにはこのありがとう伝えられてなかった。