ん?あれ⁇
ゆっくり目を開ける。
目と鼻の距離に柳瀬くんの顔がある。
暗くてあまり見えないけど、少し切なそうな表情だった。
「ごめん」
離れていく顔。
え?今なにが起こったの?
そして何もなかったかのようにパイプ椅子に腰を下ろす柳瀬くん。
私もよくわから静かにパイプ椅子に腰を下ろす。
「鈴村、俺はもうお前に何も言えなくなる。だから最後にもう一度言う。」
何も変わらないけど、真剣な顔で私を見る柳瀬くん。
「鈴村は自分の気持ちにいっつも嘘ついてる。自分の意志に気づかないふりして周りに合わせてるだけ。」
……っ。
「それって、すごい損してることだと思うよ?それに俺は、鈴村の本当の笑顔がすごい好きだったよ?だからもっと笑ってろって」
わたしはまた固まる。
【ガラガラ】
1人の男の人が入ってくる。
「あ!先輩」
その人は昨日職員室の前にいた先輩だ。