目がぼやけてくる。




鼻の奥がツーンってする。




もう止められないところまで来てる。





私は柳瀬くんとは逆の方を見る。





グッ





私は頭を掴まれて無理やり柳瀬くんの方を向かされる。





「ありのままの鈴村が1番いいよ」





優しい笑顔でそういってくれる柳瀬くん。






急に……どうしたの?





いつもみたいにほっておいてよ…。






「鈴村は鈴村だけのよさを持ってるから。」






私だけのって。私は周りとなにも変わらないただの高校生。






柳瀬くんとの手がゆっくりと離れる。






そして柳瀬くんは図書室を出て行く。






数分後、片手にパックを持って戻ってくる彼。






「はい」





わたしは渡されたものをゆっくりと飲む。






柳瀬くんをみると、とても切なそうな表情をしていた気がした。





吹奏楽の演奏が止まる。





そろそろ帰らっ





「昨日も行ったけど、笹野は隙だらけだから。
 ほんと、明日気を付けろよ。」