「い、いい…よっ」





私が俯きながらそう言った直後。






「しーずらー?どこいった?」






曲がり角から聞こえてくるゆいの声。



 


「わっ私行かないと!」






私は柳瀬くんにそう言って少しお辞儀をした後に走ってみんなの元へ向かう。






この時、柳瀬くんはどんな顔をしていたんだろう。






そして次の日。





もちろん校庭の端っこだとはいえ、私達の昨日のやりとりを見ていた人たちがいて、その人たちによって私たちは付き合っていると"噂だけ"が一人歩きをして行った。





もちろん柳瀬くんは学校1のモテ男だし、あんまり女子に興味がないクールなイメージが強かったため、意外と言う面でも噂は光よりも速度を増して広がっていった。





廊下を歩いているとたまには柳瀬くんにすれ違うこともある。