「ほら、隙だらけ」
真顔でわたしを見下す柳瀬くん。
「な、そんな急に解かれたらって…っ柳瀬くっ」
急に顔が近づいてくる。
「そんなんじゃあすぐに襲われるし、」
私の唇に柳瀬くんの指が触れる。
「ここ、取られちゃうよ」
ゆっくりと動く指。
「と、取られるって//」
近くすぎた顔は離れてすぐに柳瀬くんはまた本に向かい合う。
何も変わらない表情。
「どうせまだキスの1つや2つもしたことない
んでしょ?」
横目でまた見下されるわたし。
「じゃ、じゃあそーいう柳瀬くんはしたことあるの?」
意地を張って聞いてみたけど…。
「さあね、高校生としてそれなりのことは経験
してるよ」
固まる私。
や、柳瀬くんがしたことあるの!?