少し温かい風が制服を仰ぐ。
もうすぐという期待を膨らませた桜の道。
わたしの歩くリズムとともに、リュックに付けられたカエルのぬいぐるみが横に揺れる。
出会いと別れは同時に訪れる……卒業式で校長先生が言ってたっけ。
今日もゆっくりと 1ー5 とぶら下げられた教室を開ける。
教室に入ると丁度後ろから担任の足立先生が入ってきた。
「お前ら〜ST始めるぞ〜座れー」
1番後ろの席に座り、窓の外を眺める。
「え〜、委員会を決めるんだがー、」
正直委員会はなんでもよかった。
先生が順番に委員会の名前を読み上げ、クラスのみんなが手をあげる。
まだクラスで仲がいいゆり以外名前うる覚えなんだけど、
「じゃあー、図書委員!やりたいやーつー、?」
みんなそれぞれ下を向いて先生と目を合わせないことに必死な様子。