活動終了時間の1時間前に委員会が終わった。

今日は私が鍵当番だった。

職員室に鍵を返すと

「葵」

聞きなれた声に名前を呼ばれた。

振り返ると予想通り今井先生だった。

私は目を逸らした。

「ちょっとこっち」

「なんですか」

「何怒ってるの?」

「別に怒ってませんけど、」

「けど?」

「…。」

「理科室開けるから、ミーティングまでそこで勉強してる?」

「…はい。」

なんだか見透かされているようで悔しかったけど、同じくらい安心した。

「やりたくないならやらなくていいけど、やるならなるべく早く戻りなさい。」

先生の目はどこか怖くどこか優しかった。