「褒美は何がほしい?」
「褒美?」
「ああ、そうだ。クレッグを助けた褒美に何がほしい?」

 褒美など貰えると思っていなかったので、ミレイナは戸惑った。
 こういうときは何をお願いすればいいのかと考えるけれど、ちっとも思い浮かばない。

 そのとき、ふとジェラールの足下に座るゴーランの姿が目に入った。モフモフの毛並みに、金色のチェーンペンダントが光っているのが見える。

(そうだわ!)

 ミレイナはいいことを思いついてぱっと表情を明るくした。

「この子達に、首飾りがほしいです。ゴーランが付けているようなおしゃれなものを」
「魔獣達に? お前は何か望むものはないのか?」

 ジェラールに怪訝な表情をされて、ミレイナはむうっと考え込む。改めてそう聞かれると、なかなかほしいものが思いつかない。

(あ、そういえば!)