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五時間目は急遽、自習時間になった。


「…………」


あの後、保健室から戻ったあたしはずっとぼーっとなったまま……

遠くの方を見つめてる……


「どうしたの〜? 美空〜?」
「おい、お前! 聞いてんのか!」


「…………」


「ねえ、 聞こえてる〜?」
「どうした! 熱でもあるのか!」


少し乱暴に佑影がおでこに触れてくる。


「……え、 ……あ、」


少し冷たいその温度に、ようやく意識がここに戻った。


「……あれ。 二人とも、どうしたの?」


「どうしたのじゃないよ〜!」
「お前どうした。 さっきからおかしいぞ」


「……あたし? ……あ〜、 うん……」


あたしは合わせた視線を横にそらす。


「そうなんだ。 あたし、ちょっとおかしいんだ」


熱っぽいような重いため息を吐きだした。