「ところで彼女、見掛けない子ね。」

「転入生です、1年の。」

「あぁ彼女が。どうりで制服が新しいはずだわ。」

保健医の先生はひとり納得する。

「…じゃあ環境が変わった疲れもあるのかな。
そんな切羽詰まった状態じゃないから大丈夫よ。
旬磨は戻ったら??」

「………。」

「ほらほら君がいたってどうにもならないんだから。
行った行った。」

追い出されるように医務室を出された。

確かに俺がいても何も変わらないだろう。

とぼとぼと階段を上り、また教室へと向かった。

悪い事したな。

長い溜め息が出た。